A Seara Castes Tintas 2019 / ア セアラ カスタス ティンタス
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商品名:A Seara Castes Tintas 2019 / ア セアラ カスタス ティンタス
ワイナリー・生産者:Iria Otero Mazoy (イリア・オテロ・マソイ)
生産地:スペイン/ガリシア
品種:カイーニョ・ロンゴ30%ソウソン30%ブランセリャオ30%フェロール5%カイーニョ・レドンド5%
タイプ:赤・ミディアム
アルコール度数:12.5%
容量:750ml
19年は6月1日に大雨と風に見舞われましたが夏はマイルドな気候でした。花崗岩・粘土・砂利に植わる5品種を全房で醸し後、セメントタンクで発酵・熟成しました。淡いガーネット色、ラズベリーやイチゴ、プルーン、ハーブの香り、じわりと拡がるボリューム感のあるタンニンと中程度の酸味、やや高めのアルコール感が厚みを増し、完熟ベリーの風味がアフターに感じられます。
生産者について
『DO リベイロの混植/混醸の個性を引き出す叩き上げ女性醸造家』
ユーラシア大陸の西の果て、スペイン・ガリシア州。このエリアのワインに魅了されて久しい。今や世界中で大人気のDOリアスバイシャスのアルバリーニョはもちろんだが、DOリベイラサクラのメンシアもとても気に入っている黒ブドウ品種。この2品種からできる美味しいワインとの出会いを切望していたのが10年前。まだまだ日本でもマイナーと呼べる地域であるドイツのラインヘッセン地方からも先日4人目の生産者を紹介したが、こちらガリシア州も同様にまだまだマイナーと言える。ラインヘッセン地方同様にしかし関係が深い生産者が徐々に増えてきた。イリア・オテロ・マソイは5人目となるガリシア州からの生産者となり、ガリシア州産のスペインワインは弊社内でもカタルーニャに続くスペイン第二勢力となった♪僕自身が初めてガリシア州に足を踏み入れたのが確か2017年。リオハからの長距離ドライブで非常にドキドキしながら未開の地に足を踏み入れた。ガリシアに入るまでのスペイン内陸は西部劇を思いだす荒野、乾燥した大地が延々と続く。だが、ガリシア州に入るとその風景は一変する。越境時に標高が徐々に徐々に上がっていき、高い山をいくつか越える。最後の山を越えた後は長い高速道路の下り坂。そこからは緑豊かな風景に次第に変化していき、坂道を降りきり車から出ると日本を思い出す湿度。緑の山々、樹々に囲まれたしっとりした空気に包まれており、これまで見てきたスペインと全く異なる風景と質感に驚かされた。今まで4人の生産者をご紹介してきたにも関わらずガリシア州について全く触れてこなかったので、この機会にちょっとだけこの地について触れてみたい。自分の学びの為にも。ガリシア州(Galicia)は、スペインの自治州の1つで、スペイン北西に位置し南はポルトガル、東はアストゥリアス州とカスティーリャ・イ・レオン州に接し、北と西は1490キロメートルの海岸で大西洋とカンタブリア海に面する。州都は巡礼で有名なサンティアゴ・デ・コンポステーラ。しかし最大の都市は港湾都市Vigo(ヴィーゴ)であり、現地訪問時に宿泊でよく使うオウレンセ(Ourense)の街も州内3番目の人口を誇る美しい町だ。余談だが、このVigoにずっと行きたいと考えていて、それは美味しい魚介にありつけそうだからなのだが、2022年夏初めてVigo泊。そこで立ち寄ったMalauva waine barは最高の食事とワインと雰囲気を提供してくれるワインバーだった。年間を通して穏やかな気候で、最寒月でも摂氏8度以下になることは少ない。1年を通じて雨が降り、年間降水量も豊富である。スペイン内陸とは異なり、海洋性の気候のために手付かずの緑の森が残されており、州の内陸部はなだらかな山地で比較的標高が高く、東に行くほど標高が高く北部にテーラ・チャ高原がある。大きな川はないが無数の小さな川が横切っている。山地は険しくないが、内陸の人口は少なく、開発は遅れ過疎や農業離れが残念ながら進んでいる。海岸地域は入り江の多い複雑な海岸線で知られており、リアス式海岸の語源となったのがこの地域で、「リアス」とはガリシア語あるいはカスティーリャ語(スペイン語)での入り江(リア)の複数形である。この地形のために漁業が盛んであり、特にリアス・バイシャスでは養殖漁業が盛んである。日本のバルなどでも有名な料理“タコのガリシア風”、本場で頂いたお皿は絶品だったのはいうまでもない。地層は多様であるが、変成岩と花崗岩が主である。海岸地域と内陸部では気候・降水量・土壌構成ももちろん異なり、ガリシア州内には以下のとおり5つの異なるDOが存在する。西の海岸地域のDOからザックリと順々に東の内陸へと紹介していく。DOリアス・バイシャス(Rías Baixas)…ポンテペドラ県。アルバリーニョ種の白ワインが有名。DOリベイロ( Ribeiro )… オウレンセ県西部。白ワイン&赤ワイン。トレイシャドゥーラ(白)他。DOリベイラ・サクラ(Ribeira Sacra)… ルーゴ県南部とオウレンセ県北部。メンシア種の赤ワインが主。DOヴァルデオーラス(Valdeorras)… オウレンセ県東部。メンシア種の赤ワインが大半。ゴデーリョ種の白ワインも。DOモンテレイ(Monterrei)… オウレンセ県南部。ゴデーリョ種の白ワインが大半。メンシア種の赤ワインも。イリア・オテロ・マソイはガリシアで生まれ育った生粋のガリシアっ子。彼女の家庭では、父が常に美味しいワインを食卓に準備していたそうで、幼い頃からワインに慣れ親しんおり、両親が食卓で美味しいワインを楽しむ姿を見てきた。ブドウ栽培や醸造とは関わりのない家庭で育った彼女だが、女性でも自力で生活を営むことができるようにと自立心を大切にする教育を受けてきたそうだ。もし彼女の両親が全く異なる教育方針だったなら一人の素敵な女性醸造家の誕生はなかったかもしれない。学生時代、夏休みに訪れたリベイロの自然の美しさとワインの美味しさに魅せられ、大学は薬学科を履修していたが、その後期では醸造学を履修し、醸造学を学び始めたイリア。その後博士号を修得するためリオハに移住。当時書いた論文のテーマは、「酸とキャノピーコントロールの関係」。リオハに移住後、早くワイン造りに携わりたくて溜まらなかった彼女は、在学中からワイナリーに就職、醸造の下働きから始めた。数年後には醸造長に昇格。生産量も入社当時の10倍となり技術も経験も大きく成長を遂げていく。 2009年、博士号を終えるためにガリシアに一度戻り、取得後はリアスバイシャスにあるコーペラティブに就職する。ここでは毎年何トンものブドウが、 リアスバイシャス各地から搬入されてくるため、各エリアや区画の特徴、を学ぶのにとてもいい経験になったと語る。しかしリアスバイシャスのコーペラティヴでのワイン造りや、リオハで経験したワイン造りはイリアの目指すものとは大きく異なっていた。 ここでの仕事を辞めた後、リベイラ・サクラを代表するワイナリー、‶ドミニオ・デ・ビベイ″(オーナーはアドルフォ・ドミンゲスというスペインを代表するアパレルメーカ ー、プロジェクトマネージャーはプリオラートを代表するサラ・ペレス &レネー・バルビエのカップル、そ して畑の管理はラウラ・ロレンソが 担当していた現存のプロジェクト)に、専門知識のあるセールスとして入社。今度はボデガを離れて世界を飛び回り始めた。こうして国際感覚と販売のセンスまでをも磨き十分な経験を積んだイリアは、家族を中心としたより穏やかな生活を送るため、ドミニオ・デ・ビベイを辞め、これまでの経験を土台に2015年に自分自身のプロジェクトを立ち上げる。写真にもあるような石造りの可愛くて小さな住居兼セラーを憧れの地リベイロに構え、リベイロでのワイン造りを進めていく(リベイロの弊社もう一人のパートナー、アウガレヴァーダのイアゴ・ガリードとは近所で仲が良です)。その傍ら、リアス・バイシャスやヴァルデオーラスでもそれぞれボデガを間借りし、昔ながらの長期熟成型のアルバーニョやゴデーリョのワインも造っている。彼女が持つ所謂自社畑は非常に少ない。なので彼女は過去のキャリアの経験を活かし信頼できるブドウ栽培農家と契約してブドウを購入している。リベイロでは湿度も高くスペイン国内でも雨が多い地域なので完全なるBio栽培でブドウを育てる農家はほぼ存在しないと言っていい。なので、彼女は銅や硫黄散布以外にも病気を防ぐ為の最低限の農薬散布だけは許容している。しかし、その他の殺虫剤、除草剤、化学肥料は使用せずに丁寧なブドウ栽培を行う栽培専業農家のみを厳選して契約している。そのブドウの購入価格も通常の買いブドウの3倍近い金額を払っているそうだ。(弊社のリアスバイシャスのパートナー、ナンクラレスと同様のスタイルである)。 様々な栽培家の区画のブドウを使用する利点もある。気候、地理条件、栽培方法の異なるミクリマから収穫される良質のブドウをブレンドすることがワインの味わいに奥行きと複雑味を生み、長期熟成に適するワイン造りへと繋がっている。しかし彼女がブドウ、品種をブレンドする最大の理由は、リベイロ昔ながらのスタイルを表現したいからである。単一ブドウでワインを造る事でなく、土着品種のブレンドstyleこそがリベイロで昔から行われてきた伝統あるワイン造りだ。時にDO取得にもこだわらず白と黒ブドウもブレンドする徹底ぶりだ。白ブドウでは、トレイシャドゥーラ、ゴデーリョ、ロウレウイラ、トロンテス、カイーニョブランコ、etc。黒ブドウはカイーニョロンゴ、カイーニョティント、ソウソン、メンシア、メレンサオ、ブランセリャオ、フェロル、etc。その多くが混植されており、多くのキュヴェで混醸しているので味わいは複雑で多様性があり、収穫のタイミングや醸造センスを非常に問われるワイン造りをしている。また、彼女は実は大の亜硫酸アレルギーであり亜硫酸が入っているワインは試飲する事も含めて大の苦手。リベイロの自宅ボデガで造る多くのワインは、もちろん醸造中のワインの状態を見極めながらだが瓶詰めまでは基本的には亜硫酸を添加しない(醸造中、彼女が試飲できるためでもあるそうだ)。瓶詰め前に極少量の亜硫酸を添加して瓶詰めするワインがほとんどだ。将来的にオートクチュールで完全亜硫酸無添加のワインを日本向けへ造ってもらう話も進んでおりますのでご期待ください!(これは実はナンクラレスでも進んでいるのだ!)※ボデガを間借りして醸造しているDOリアスバイシャスとDOヴァルデオラスのワインは、自分が留守中の間のリスクを避けるためマロラクティック時にも亜硫酸は添加している。イリアのワインは、畑の特徴やガリシアの自然をナチュラルに表現しながらも、確かな技術と経験に支えられたクオリティーの高さと際立ったキャラクターを併せ持つ。これは彼女自身の性格と先述したバックグラウンドからきているのだろう。明確な目標設定とそれに向かって突き進む強い意志をもち、スペインでも数少ない叩き上げの女性醸造家の道を歩いてきたイリア。自宅ボデガの2Fは住居となっており、旦那さんと3人の子供たちの妻であり母でもある彼女。初訪問時には写真にある彼女特製の豚料理をたらふく頂いた。その時にちょいちょいと顔を出していた小学生ほどの長男君は今がわんぱく盛りのようだが、幸せな家庭の一端を垣間見たひと時で畑やボデガとは全く異なる雰囲気の彼女の表情にも触れられた。ワイン同様、懐と奥行きが深くエネルギッシュな女性であり、強いけどとてもしなやか。そしてとても明るい。ワインは生産者を表すと常々思ってるが、あーやっぱり♪●DOリアスバイシャス全て信頼できるブドウ農家からの買いブドウを使用し、リアスバイシャスにあるボデガを間借りしそこで醸造している。SACABEIRA…100%アルバリーニョSAL…100%アルバリーニョ●DOヴァルデオーラス信頼できるブドウ農家からブドウを購入し、現地ボデガを間借りしそこで醸造している。MICA…100%ゴデーリョ●DO リベイロ信頼できるブドウ農家からの買いブドウと彼女自身の畑のブドウを使用。醸造は自宅1Fのボデガで行う。白: A SEARA BLANCO(混植・混醸), BUBELA(Alebubu), COSCO赤: A SEARA TINTO(混植・混醸), TEIXUGOオレンジ: Anarka 長くなるがDOリベイロについても軽く触れておく。リベイロ(Ribeiro)は、スペイン北西部のガリシア州オウレンセ県DOで白ワインを主体としている。栽培面積はわずか約30平方キロメートルである。(山が多く小さい川も多いので谷も多い、結果、傾斜地だらけでそこをうまくテラス畑にしている景色を多数見た。)その大部分はオーク樽発酵を行わず、地元での日常消費用のテーブルワイン(ヴィノデメサ)として出荷される。スペインの1人あたりワイン消費量は40リットル/年であるが(ボトル換算一人約53本‼)、ガリシア州は137リットル/年にも達しており(182本…)、ガリシア州で最も古いワイン産地であるリベイロが果たす役割は実は大きいのである。 DOリベイロを「ガリシア地方最古の産地であり、最も高い可能性を秘めている」と評す海外ジャーナリストもいる。ミーニョ川とその支流シル川沿いには、下流からリアス・バイシャス、リベイロ、リベイラ・サクラ、ヴァルデオーラス、ビエルソの5つの原産地呼称産地が並んでおり、リベイロとリベイラ・サクラはオウレンセ県の県都オウレンセを境界としている。リベイロのブドウ畑は、ミーニョ川やその支流のアルノイア川、アビア川、バルバンティーニョ川が形成する谷の標高100-200mの傾斜地に広がっている。ソカルコス(socalcos)またはボカリベイラス(bocaribeiras)と呼ばれるテラス(階段状の畑地)の使用が一般的である。土壌は花崗岩質や粘土質が多い。乾燥した地中海性気候や大陸性気候にあるスペインの多くの産地とは異なり、湿潤な西岸海洋性気候にある数少ない産地のひとつであり、海洋性気候と地中海性気候の変移地帯にあるため湿度も温度も高く、年平均気温は摂氏13度である。このような気象条件からブドウは成熟しにくく、高い糖度を必要とする黒ブドウの生産には適していないと一般的にはいわれている。年降水量は800-1,000mmであり、より大西洋に近いリアス・バイシャス (DO)などガリシア州の他産地よりも少ないが、スペインの大部分の産地よりも多い(スペイン全体での年平均降水量は600㎜前後)。夏季の3か月間は他の時期に比べて降水量が少ない。年日照時間は約1,800時間とスペインの他産地に比べて少なく、この日照を最大限に受けられるように工夫して植えられている。DOリベイロのワインとしては白ワイン90%以上を占めており、総生産量における赤ワインの比率は10%に満たない。今日のリベイロの白ワインは、みずみずしさ、穏やかな酸味、果実味を特徴としている。
(インポーター資料より)
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